第1回講座

2014年1月12日(日)
埼玉『資本論』教室の第1回講座が浦和市の埼玉会館でひらかれ、
参加いたしました。
12時30分ごろ会場に到着し、受付で1年間分の受講料30,000円を納入し、
晴れて受講生となりました。
会場には前期同様の多数の受講生が集合していました、
前期以上に若い世代の姿が多いのがとてもうれしく感じました。

配布された資料は、
●宮川彰著「資本論講座」(第2、3巻講義要綱)という冊子(206ページ)
●第1回 現代の流通問題ー「資本論」第二回ガイダンスーという「レジュメ&資料」A3版20ページでした。レジュメに目を通した時点で、もう期待にワクワクしてしまいました。

司会者と運営委員長の方のあいさつがあったあと、宮川先生の熱血講義が始まりました。
いやー、すごい一日でした!!
参加された方々もいつになく真剣に聞いておられる様子がひしひしと伝わって、先生のパンチの利いた「現代経済学批判」に会場中がドット笑いが起きる様子は、もっと多くの方に味わってほしいと思いました。

講義は、大きく分けると、三つの柱にフォーカスして展開されました。

まずは、「ワンポイント」という講義です。埼玉教室では毎回恒例のイントロダクションです。前期の講座でも、「現代のテーマを、『資本論』を学ぶ角度でどうとらえるか」というもので、毎回聞くことが出来たものです。
いづれも新鮮な話題満載で、わたしはとても楽しみにしていました。
今回も期待以上に面白いものでした。内容は、

1、食材・食品偽装問題の影と光
2、ノーベル経済学賞の”ダボハゼ”正体・堕落の露呈

ここでは、最近問題なった有名ホテル等の「食品偽装」が、「資本論」の立場でみると「特別剰余価値」の取得に対する欲求となっている点が解明されました。とくに事例で掲げられた新聞記事(日経)にかかれた裁判中の田中社長が、「腐りかけた肉はカネ、ミンチにすればわからない」「儲かり始めるともっと金が欲しくなり、利益優先になって偽装肉を売った」という言葉に、「あくなき利潤追求に走る資本の本質が見える」という指摘は心底納得できるものでした。次々に紹介される事例、それは1800年代にまでさかのぼった話、思わす体を乗り出す思いでした。それに対比した「資本の文明化作用」という視点での「回転寿司のネタ」(なにが偽装として指弾され、なにが「文明化」として受け入れられるのか)も面白い視点からの問題解明でした。
なんか、講義が終わったら、回転ずしに行きたくなってしまいました。(#^.^#)

つづく講義は、「資本論」第二部の概要をどう見通すのかという内容でした。

1、現代流通革命の前線と題して、「『資本論』第2巻のエッセンス」について講義されました。この「エッセンス」のまとめは、今までない全く新しい視点が提示されたのではないでしょうか。先生も「渾身の準備をおこなった」と話されましたが、前期の「二巻講座」を大きく飛躍させる問題提起ではないかと思いました。従来「二巻講座」というと地域の学習会では、マルクスによる「再生産表式」だけに話題が集中、しかも「計算違い」の問題だけで盛り上がるという状態が多かったように思います。その意味でも今回の宮川先生による「エッセンス」のまとめは画期的な提案になるのではないでしょうか。武者震いがします。
レジュメには次のように纏められていました。

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『資本論』第二巻のエッセンス

(1)資本の流通の意義は、迅速・円滑な、効率の良い、再生産過程(実現)の確保
(2)その本性は・使命は、「生産の空費である<<流通費>>の節約につきる。
● 間接に社会の剰余価値増産に寄与
● ムダ(-)をなくして、プラス(+)とする
● 現代商業資本の巨大化現象、
● しかし、巨大化するほど「空費」節減効果大、自滅「自己否定」への道

(3)「再生産論」は、社会的生産のための比例条件と運動形態を解明する。
● 社会の資本はどのように再生産されるか、
● 個人的消費(労働者・資本家)はどのように満たされるか
● マクロ経済学(国民所得論)では解決不能だ

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続くテーマは、最近の流通業界に起きているさまざまな「商業資本の巨大化」をどう見るかというもので、巨大通販業界、ネット販売の業界に起きている事態を「資本論」の視点でどのようにとらえるのかというものでした。現代の生々しい「巨大化」の事例は、「資本による市場(流通)の支配・コントロールはどこまで可能か」「カタログ通販から、ネット通販・テレビ通販の隆盛をどうみるか」などの問題提起までなされて、とても興味深いもので、しかも、「未来社会」をも見通した深い内容でなんか勇気の湧く講義でした。

いやあ、「埼玉『資本論』第二巻教室」はすごいことになりそうです!!!

まだ、間にあいます!あなたも次回から参加しませんか?