新日本出版社版の「資本論」

新日本出版社文庫版「資本論」

この訳本は、「資本論」学習講座で標準的にもっとも使われている訳本です。
私の住む高崎の書店でも箱に全巻入ったものが書架にありました。
文庫版なので、活字が小さく高齢者には結構苦労がある訳本ですが、「テキスト」となることが多いので、わたしは大月版(全集版)で全巻持っていたのですが、10年ほど前に全巻購入しました。一番書き込みがされているので貴重な蔵書です。
次の引用は、私の「しびれた名言」の一つです。よく引用されるのは、「学問に平安の大道はない」という部分ですが、この言葉にかかわる段落のすべてを読みなおしてみると、マルクスの真意が鮮やかにみえてきます。

『これはあなたのメダルのよい面ですが、しかしそこには裏の面もあります。すなわち私が用いてきた、そして経済的諸問題にはまだ適用されたことのない分析の方法(研究の方法)は、いつでもせっかちに結論に達しようとし、一般的原則と自分が熱中している直接的問題との関連を知りたがるフランスの読者が、はじめから先に進むことができないので、うんざりしないかということです。  これは一つの不利な点ですが、真理を切望する読者にまえもってこのことをお知らせし、心がまえをしていただく以外に私にはどうしようもありません。  そして、学問の険しい小道をよじ登る労苦を恐れない人々だけが、その輝く頂上にたどりつく幸運にめぐまれるのです。』 (ロンドン、1872年3月18日 カール・マルクス) 新日本新書版「資本論」「フランス語版序文へのあとがき」第1分冊31ページ

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